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住宅ローンの金利について

日本銀行が「量的緩和政策」(※1)を解除してから、住宅ローンの金利は3月、4月、5月と連続して上がってきました。住宅ローンの金利が上がれば、当然のことながら家計への負担も増大します。(※2
「量的緩和政策の解除」の次にくるのは「ゼロ金利政策の解除」となります。「ゼロ金利政策の解除」が行われるのはいつ頃か?またそれによって金利はどのように推移するのか?など、今後の金利の先行きについては様々な意見があります。

一方、金融商品の多様化の中で多くの住宅ローン商品が誕生しており、金融機関による金利の設定も昔のように画一的ではなく、また金利の優遇キャンペーンや、例えば成人病などの疾病になった場合は返済が免除される特約の付いたものなど、様々な住宅ローンがあります。従って、住宅ローンの借り入れをするときは、金利の動向や先行きにも注意し、どの金融機関のどのような商品なのかをよく検討してから借り方を決める必要があります。

今月のコラムでは、金利の動向や先行きを考慮する際に役立つよう、住宅ローンの金利の種類や金利の決まり方などについての概要をまとめてみました。

INDEX
1.住宅ローンの金利の種類
2.住宅ローンの金利の決まり方
3.金利の推移
住宅ローンの金利の種類
住宅ローンの金利には、大きく分けて「固定型金利」と「変動型金利」の2種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。長期で借りる住宅ローンですから、特長をよく見据えて自分に適した金利タイプの住宅ローンを選択しましょう。
1. 固定型金利
  金利が固定される期間は、短期の2〜3年のものから長期の10年以上のものがあり、文字通り最初に決められた金利が続きますが、当初定めた期間を経過すると改めてその時点の金利に再設定されます。またフラット35のように返済期間中ずっと金利が固定されるものもあります。
一般的に、固定期間が短いほど金利が低く、将来的に金利が大きく変動しない時は短期の固定期間で継続する方がお得で、例えば、4%の10年固定金利を借りるより、2.5%の2年固定金利を5回継続して10年間借りる方が最終的に金利は低くなります。
対して金利が変動するような時は、金利が低い時に長期固定ローンを組めば将来的に金利が上昇する時のリスクを回避できることとなり、さらに返済額が変動しないので返済計画を立てやすいという利点があります。一方、金利が高い時にローンを組んだ場合には、将来的に金利が下がった時の負担は相対的に増大することとなります。
固定型金利を選択する際には、このような特徴を踏まえて金利固定期間のタイプを選ぶことが重要になります。
2. 変動型金利
  変動型金利は市場の金利に連動して金利が変動するので、金利が低くなれば返済負担は下がり、高くなれば負担は増えることになります。
変動型の金利は、一般的に半年毎に見直されます。金利が変われば当然返済額も変わると思われがちですが、多くの金融機関では返済額は5年間一定にしています。どういうことかというと、金利の変動にあわせて返済額に占める利息と元金の比率調整が行われているのです。例えば、金利が上昇した時には返済額に占める利息の割合を増やして元金の返済にまわる金額が下がり、金利が下がった時には元金の返済にまわる金額が増えるという調整が行われ、金利は変わっても返済額は5年間変わらないということになるのです。
また5年毎の金利の見直し時に返済額が上昇する場合、新たな返済額は元の返済額の1.25倍までに制限されています。(※3)
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住宅ローンの金利の決まり方

住宅ローンの種類によって金利の決まり方は異なります。
例えば固定型金利の住宅ローンなどでは、10年物国債に代表される長期金利に、また変動型などでは短期プライムレート(※4)のような短期金利に連動して決まります。しかし金融技術の発達に伴い資金調達の方法や調達金利が多様化し、住宅ローンの金利や固定期間の種類なども金融機関ごとに多様化しています。

また借入れる金利がいつ決まるかもローンによって異なります。
公庫融資については借入申込時の金利が適用され、融資承認によって決まります(※5)。つまり物件の引渡より前に金利が決まります。一方、フラット35や銀行の住宅ローンについては融資実行時、つまり引渡とほぼ同時期に金利が決定しますので、金利が急激に上がりそうな時には、大規模物件などのように融資の申込から引渡までの期間が長い物件では、どちらが有利かも考えておく必要があります。

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金利の推移

では、これまで金利はどのように推移してきたのでしょうか。
金利の動向を見極める上で参考となる指標のひとつが、短期および長期プライムレートです。その過去約10年間の金利の推移を示したものが、下のグラフです。このグラフを見ると、バブル崩壊以降金利が下がってきたことが分かります。しかし近年では、短期プライムレートは低金利で安定しているものの、長期プライムレートは上昇傾向となっていると考えられます。

また住宅ローン金利の推移の参考例として、公庫金利の推移を下のグラフにしました。公庫融資の基準金利については、平成17年4月から保証料不要となったことに伴う金利への上乗せや、平成17年6月の段階金利制の廃止による金利への影響など、大きな制度改革の金利への影響があるため単純に金利の推移を見ることはできませんが、公庫基準金利、財形金利とも近年では上昇の傾向にあると考えられます。

≪短期・長期プライムレートの推移≫
短期・長期プライムレートの推移

≪ 公庫基準金利、公庫財形金利の推移 ≫

公庫基準金利、公庫財形金利の推移
※段階金利制の際の公庫基準金利は、当初10年間の金利を記載しています。
※公庫財形金利は、融資額の内710万円までの分に対する金利を記載しています。
上記グラフの各々の金利の詳細は、下記の日本銀行ホームページ、および住宅金融公庫ホームページをご参照ください。
短期・長期プライムレートの推移は、コチラ>>>
公庫融資金利の推移は、コチラ>>>
公庫財形融資金利の推移は、コチラ>>>
どの金利タイプの住宅ローン商品を選ぶのが良いかは、個人の事情や金利の動向などによっても異なります。
また金利変動のリスクを軽減するため、公庫やフラット35のような長期固定金利の融資と短期固定金利の銀行ローンを組み合わせて借りるなど、異なる種類の住宅ローンを組み合わせて借りる方法も有効となる場合もあるでしょう。
金利の上昇が懸念される状況だからこそ、融資の種類や金利タイプの特徴を十分に理解し検討して、賢い借入れ方法を選ぶようにしましょう。
(※1) 量的緩和とは、近年日本銀行が行ってきた金融政策のひとつです。流通するお金全体を絶対的な量の側面からコントロールして金融政策を運営しようというものです。2001年3月19日の金融政策決定会合で導入されました。コラムに戻る>>
(※2) 例えば3千万円を金利3%の30年固定ローンで借りた場合、元利均等返済による概算の月々の返済額は約12万6千円。しかし4.5%で借りた場合には返済額は同じく約15万2千5百円となり、月で約2万6千5百円、年では約31万8千円の負担増になります。コラムに戻る>>
(※3) 財形住宅融資は、5年間金利が固定される変動型金利です。5年間の固定ですので6年目に金利が見直され、変更があれば返済額が変わります。ただし、返済額が増える場合の上限は1.5倍までとされています。コラムに戻る>>
(※4) 銀行が最優良企業に1年未満の期間で資金を貸し出す際の金利です。コラムに戻る>>
(※5) 公庫融資の金利が決まる手順をより正確にお伝えするため、本コラム掲載時の記載「借入申込に対する融資承認時、」を、本文記載の「借入申込時の金利が適用され、融資承認によって決まります。」に訂正いたしました。お詫びして訂正させていただきます。
尚、公庫融資は借入申込時の金利が適用されますので、例えば金利が変わる前に借入申込をし、金利が変わった後に融資が承認された場合は、変わる前の金利(借入申込時の金利)が融資金利となります。コラムに戻る>>
   
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