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住宅性能表示制度について
最近、住宅性能表示制度に基づく住宅性能評価書を取得したマンションや戸建てが多くなってきました。
でも、住宅性能表示制度とはどのような制度なのか。また購入される皆様にとって、どのようなメリットがあるのか。今回は、そんな住宅性能表示制度についてまとめてみました。
INDEX
1.住宅性能表示制度が制定された背景
2.品確法のポイント
3.住宅性能表示の概要
住宅性能表示制度が制定された背景
従来、住宅の性能に関する法制度は、建築基準法が拠りどころとなっていました。
しかし実際には、90年代に欠陥住宅が社会問題として国会でも取り上げられるなど、以下のような問題がありました。
設計どおりにきちんと建設されたか分からない
  所謂、欠陥住宅や違法建築などの問題です。建物の性能は、できあがったものの外観からは判断できない要素が多く、このような問題が起こっていました。
一定の性能基準をクリアしていても、それがどの程度の性能かを客観的に判断できない
  例えば地震に強い住宅と一口に言っても、客観的な基準が無かったため、どの程度強いのか分かりにくく、また比較することも困難でした。
欠陥や瑕疵(かし)が発見されても、その後の紛争の処理にかかる労力や費用などの負担が大きい
  実際に欠陥や瑕疵があると分かっても、専門家の診断や裁判などの紛争処理に関わる費用や時間などの負担が大きくなることもありました。
室内の空気環境や音環境は建築基準法には規定が無い
  シックハウス症候群の原因ともなる室内空気環境の問題や騒音の問題などについて、従来の建築基準法には規定がありませんでした。(※1
このような問題を考慮し、消費者を保護する目的で平成12年4月「住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下、品確法)」が施行され、その中の一つの制度として「住宅性能表示制度」が制定されました。
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品確法のポイント
品確法は、大きく次の3つのポイントで構成されています。
A. 新築住宅の基本構造部分について、「10年間」の瑕疵担保責任を義務化
B. 住宅性能表示制度の制定
  住宅性能評価には、設計時の住宅性能を評価する「設計住宅性能評価」と、評価を受けた設計どおりに施工されているかをチェックする「建設住宅性能評価」があります。またそれぞれの評価は第三者機関の評価員がチェックすることとされ、建設住宅性能評価では通常4回の現場チェックが行われます。評価を受けると設計、建設それぞれの評価書が交付されます。
尚、当初は新築住宅が対象とされていましたが、平成14年8月から既存住宅も対象となり「既存住宅の建設住宅性能評価」が設けられました。(※2
C. 紛争処理体制の整備
  トラブルが起きた際に迅速に解決するための「指定住宅紛争処理機関」が整備されました。
「建設住宅性能評価」を受けた住宅であれば、1件1万円で指定住宅紛争処理機関を利用できます。また処理機関には全国各地の弁護士会が指定され、裁判によらず住宅の紛争処理の対応をしてくれます。
下記ホームページもご参照ください。
住宅紛争処理支援センター  指定住宅紛争処理機関>>>
これにより住宅購入時の客観的な基準ができ、比較検討することが容易になりました。また購入者をトラブルなどの問題から保護するとともに、万一の際の負担も軽減されるようになりました。ただし住宅性能評価を受けるかどうかは任意とされているため、必ずしも住宅性能評価書を取得しているとは限りません。上記のとおり、1件1万円で指定住宅紛争処理機関を利用するためには、「建設住宅性能評価」を受けていることが必要であることが重要なポイントとなっています。
更に評価書の交付を受けた住宅では、ローンの金利優遇や地震保険料の割引を受けることができる場合があるほか、一定の要件を満たすものについてはフラット35の金利優遇を受けることができる場合もあります。
優遇の内容については、下記ホームページもご参照ください。
住宅性能評価機関等連絡協議会ホームページ>>>
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住宅性能表示の概要
住宅性能表示では外観や簡単な間取図などからでは判断し難い項目が優先的に採用され、以下の10分野についての性能を全29項目にわたり等級などの数値で表示されます。
1.構造の安定 地震が起こった時の倒壊のしにくさや、損壊の受けにくさの評価。等級が高いほど地震に強いという評価になります。また地震以外に強風や大雪に対する強さも評価されます。
2.火災時の安全 火災時の燃え広がりにくさ、避難のしやすさ、延焼のしにくさの評価。等級が高いほど火災に対する安全性が高いという評価になります。
3.劣化の軽減 土台や柱が年月を経ても出来るだけ傷まないような対策をどの程度施されているかを評価。例えば鉄筋コンクリート造の場合、主に柱や梁のコンクリートがもろくならないための対策などをチェックします。等級が高いほど耐久性が高いという評価になります。
4.維持管理への配慮 配管の点検や清掃のしやすさ、故障時の取替えなどの修繕のしやすさを評価します。清掃や取替えがしやすいものほど等級が高くなります。
5.温熱環境 暖房や冷房の効率を高めるため、壁や窓の断熱などがどの程度されているかを評価します。等級が高くなるにつれて省エネルギー性も高くなります。
6.空気環境 接着剤などを使用する建材から発散されるホルムアルデヒドが、シックハウスをおこす要因のひとつとされています。このためシックハウス対策として、接着剤を使用している建材などの使用状況などを評価します。また換気設備の充実具合も評価の対象になります。
7.光・視環境 東西南北および上の方向に、窓がどの程度の大きさで設けられているかを評価します。
8.音環境 上下階や隣接住戸との間の音の伝わりにくさを評価します。遮音性能が高いほど等級が高くなります。
主にマンションなどの共同住宅において重要となる評価項目であるため、この項目の評価を受けるかは任意選択とされています。
9.高齢者等への配慮 出入り口の段差や階段の勾配などは高齢者や障害者の方にとって大きな負担となります。そのような点について暮らしやすさへの配慮がどの程度なされているかを評価します。
10.防犯対策 玄関扉や窓などの住宅の開口部において、侵入を防止する性能が確認されている部品等がどの程度使用されているかを確認し、防犯対策を評価します。
盗難件数の増加に伴う防犯意識の高まりとともに、平成18年4月から評価項目となりました。
詳しくは、下記ホームページをご参照ください。
住宅性能評価機関等連絡協議会HP
「住まいの安心は10分野のモノサシではかります」>>>
ただし、住宅性能評価において勘違いしてはならないのは、「全ての等級が最高の等級でなければならないというものではない」ということです。
当然のことながら、等級を高くするためには費用が掛かります。また、窓を大きく数多くとれば地震に対する強度が下がるというように、評価の項目によっては相反するものもあります。大切なのは、自分たちが住む住宅に対して何を本当に望んでいるかを考え、コストや立地条件などとのバランスとあわせて、住宅のどの性能を重視するかを見極めて比較検討することではないでしょうか。
住宅の購入者にとってメリットも多い住宅性能表示制度。そのメリットを最大限に受けるには、新築住宅では設計と建設の両方の住宅性能評価書を取得することが重要です。
当社のお届けする分譲マンションでは、設計および建設住宅性能評価書を原則取得するようにしています。
建設住宅性能評価書は竣工時に取得することとなりますが、設計住宅性能評価書を取得している場合は販売時には既に取得していますので、モデルルームにお越しいただき、ご自身の目でどのようなものなのかを是非一度ご確認ください。
(※1) 平成14年7月に建築基準法が改正され、シックハウス対策条項が盛り込まれました。
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(※2) 既存住宅については、設計を行うわけではないため設計住宅性能評価は設けられていません。
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