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分譲マンションの長期修繕計画について
新築の建物でも、年月を経れば劣化し傷んできます。外壁の汚れ、塗装の剥離、配管の詰まりなどといったものから、色々な設備機器の老朽化など、様々な箇所に症状があらわれます。またそれはマンションに限らず、戸建住宅やビルなど全ての建物に共通することです。
このような建物の劣化に対して、近年、分譲マンションでは通常、計画的な修繕が行われ建物の基本性能の維持が図られています。
INDEX
1.長期修繕計画が必要なわけ
2.長期修繕計画作成のポイント
3.修繕積立金額の設定と徴収方法
4.定期的な見直しが必要なわけ
長期修繕計画が必要なわけ
建物の大規模な修繕をしなければならなくなった場合、それを行うためには大きな工事費用が必要となります。その際、その費用を居住者から一括して徴収することは大きな負担となり、費用を集められなかった場合は必要な修繕を行えないという事態にもなりかねません。
このようなことにならないよう、「いつごろ、どのような」修繕が必要になるかの計画を立て、それに備えて計画的にお金をためておく必要があります。そのため、マンションでは『長期修繕計画』を作成し『修繕積立金』を積み立てているのです。
また国土交通省が策定している『マンション標準管理規約』『マンション標準管理委託契約書』『マンション管理標準指針』などの中でも、長期修繕計画の重要性を踏まえて次のようなことをはじめとする様々なポイントがあげられています。
長期修繕計画の計画期間は25年以上、新築時では30年程度を目安に設定すること
計画修繕の対象となる工事として外壁補修、屋上防水、給排水管取替え等が掲げられ、長期修繕計画では各部位ごとに修繕周期、工事金額等を定めるようにすること
長期修繕計画の内容については、定期的な(おおむね5年程度ごとに)見直しをすること
長期修繕計画の作成および一定年数ごとの見直しに関する業務を、管理会社の主な業務のひとつとすること
詳しくは、下記ホームページをご参照ください。
◇ 国土交通省ホームページ 改正マンション標準管理規約>>>
マンション標準管理委託契約書>>>
マンション管理標準指針>>>
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長期修繕計画作成のポイント
マンションは、建物本体以外にも給排水や電気設備、ガス設備、外構など様々な区分の工事があり、多種多様な材料や部材、設備機器などが用いられて建築されています。これらの材料などには劣化や老朽化などによる耐用年数があり、マンションの基本性能を維持するためには、この耐用年数に応じた定期的な補修や清掃、取り替えなどの修繕が必要になります。
一方、建物にも建物自体の耐用年数があり、この耐用年数を大きく超えるような長期修繕計画を作成してもあまり意味のないものとなってしまいます。そのため長期修繕計画の計画期間は、前述のように30年程度が目安とされ、この計画期間のなかで想定される様々な修繕工事にかかる費用を算定し、長期修繕計画は作成されます。
また修繕計画は、一般的に次のような点が考慮され作成されています。
各工事区分ごとに修繕の内容と時期が計画されます。
例えば、工事区分として前述のマンション管理標準指針では、屋上防水、外壁等、床防水など18種類の修繕工事項目があげられています。
「どの部分」を「いつ頃」修繕するのか、耐用年数を基準に修繕時期が計画されます。
例えば、鉄部塗装などは3〜5年程度、外壁洗浄や塗替えは10〜15年程度、照明器具やポンプなどの交換は10〜15年程度が一般的ですが、これは当初の仕様や材質、メンテナンスの状況などによっても異なってきます。
前述のマンション管理標準指針では、社会的背景や生活様式の変化等に応じた性能向上(グレードアップ)工事の項目を計画に含めていることが望ましいとしています。
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修繕積立金額の設定と徴収方法
このようにして作成された長期修繕計画に基づいて算定される修繕費用をまかなうため、修繕積立金が積み立てられます。では、その金額はどのように設定されるのでしょうか。
修繕積立金は、一般的に次の3つの方法によって設定されています。
1.均等積立方式 長期修繕計画に基づき算定された工事費の総額を、計画期間の合計月数で割った金額を、月々均等に積み立てていく方式
月額が一定なので分かりやすく安心感もあるが、月々の負担額は大きくなる
2.段階増額方式 当初の月額負担を軽減するため、はじめは修繕積立金の金額を低めに抑え、工事の実施にともなって増える工事費の累積額を下回らないよう、段階的に積立金額を増額していく方式
いつ、どの程度、修繕積立金が増額される予定かを把握しておくことが重要
3.一時金徴収方式 大きな工事費が必要となる大規模修繕が計画されている時など、設定されている修繕積立金額では工事費が不足するような場合、その不足分を一時金によって徴収する方式
積み立てている月額が少ないと一時金の額が大きくなる
また、月額や段階増額方式の増額分、一時金の額などを抑えるため、これらを組み合わせた方式で設定されることもあります。マンションの購入を検討する際には、当初の修繕積立金額だけでなく、長期修繕計画とその間の積立金増額や一時金の有無などもよく確認しておくようにしましょう。
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定期的な見直しが必要なわけ
長期修繕計画は25〜30年の長期の計画ですから、例えば下記のようなことによって、当初の計画と修繕実績に相違が生じることも少なくありません。そのため、定期的に長期修繕計画の見直しを行うことも重要なポイントとなります。
社会情勢や景気変動などによって想定した工事単価に変動があった場合、見直しが必要になります。
計画していた工事費と実際の工事費には、差額が生じることも少なくありません。
また建物や機器の状態によって、実際の修繕を計画した時期より早める必要が生じたり、逆に遅くしたりすることができたりします。長期修繕計画の見直しの際には、このような修繕の実績や履歴も考慮して行うことも重要です。
建物そのものの物理的な劣化や老朽化の他にも、例えば高齢化にともなって必要となるバリアフリー対策など、計画作成当初は予想することが困難な、社会情勢の変化にともなって時代に合わなくなってしまった社会的老朽化といったこともあります。このような計画外の対策を実施する場合、長期修繕計画の見直しも必要になります。
実際の修繕の際、居住者のニーズに基づいて従来よりランクアップして機能や性能を上げる場合もあります。
居住者が不便に感じるところや、より快適なマンションにするための改修工事など、居住者の要望によって長期修繕計画以外の工事が行われる場合があります。その際、一般的に修繕積立金を取り崩して費用をまかなうことが多く、そのような時は長期修繕計画や修繕積立金の見直しも必要になります。
また定期的に長期修繕計画を見直すことによって、修繕を実施する際に出来るだけ修繕項目をまとめて行い、修繕効率を上げて工事コストの削減を図るなど、結果的に掛かる工事費を抑えることができる場合もあります。例えば、コストの掛かる足場が必要になる修繕項目をまとめて行うと、そういった効果も大きくなります。
その他、積み立てられた修繕積立金を定期預金や公庫の「すまい・る債」などのような元本保証型の債権にすることで、積立金の保全を図るとともに金利や運用益を得るなど、実際のマンションでは様々な工夫も行われています。
以前は作成されていないことも多かった長期修繕計画ですが、その重要性や必要性が認知されるようになり、既存のマンションで改めて作成されるケースを含め、今では多くのマンションで作成されるようになりました。
マンションの購入を検討される際には、是非、長期修繕と修繕積立金がどのような計画になっているのか確認しておくようにしましょう。また既にマンションにお住まいの方も、ご自身のマンションの長期修繕計画や修繕履歴を確認しておくことも大切なことではないでしょうか。
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